魂の骨格 ULTRA-ACT発売決定記念 <ウルトラマンネクサス>を語る3人の絆 渋谷浩康×丸山 浩×原 昇

ULTRA-ACT発売決定記念<ウルトラマンネクサス>を語る3人の絆 渋谷浩康×丸山 浩×原 昇

「ULTRA-ACT ウルトラマンネクサス ジュネッス」の発売決定を記念して、『ウルトラマンネクサス』プロデューサー・渋谷浩康氏、デザイナー・丸山浩氏にお集まりいただき、現在コレクターズ事業部でULTRA-ACTに関わっている当時のバンダイ内作品担当・原昇を交えてお話をうかがった。

 

──本日は、お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。

  •   ありがとうございます。バンダイの原でございます。
  • 渋谷 円谷プロの渋谷です。『ウルトラマンネクサス』では作品のプロデューサーとして、立ち上げから関わっています。
  • 丸山 丸山です。『ネクサス』では、ヒーローのみですが、デザインを担当させていただきました
  •   『ネクサス』では大変お世話になりました。当時ボーイズだった私も、今はコレクターズです。
  • 渋谷 原さんとは、けっこう久しぶりですよね?
  • 丸山 僕と渋谷さんはそうでもないけど(笑)。
  •   ご無沙汰いたしております。
  • 渋谷 今は亡き新宿の談話室<滝沢>で顔合わせをしたのを思い出しますよ。
  •   若かったですねえ、あの頃は(笑)。
 
[ 造形 -フィギュア- ]

──ULTRA-ACTのネクサスを、実際にご覧になってみて、いかがですか?

  • 丸山 なんと、兜の内側のモールドも再現してあるんですね。
  •   それはもう(笑)、担当がこだわってまして。

▲「ULTRA-ACT」の試作品(左)と、当時発売の「ウルトラ超合金」を比べながら。
  • 丸山 マスクの分割ラインの段差まである! スーツでも、ぴったり合わせていると、ちょっとした動きでズレちゃうことがあるんで、逆に最初からズラしたデザインにしたんですよ。それも再現してある。参ったな~(笑)
  •   頭部は、ガイアやアグルのスーツのマスク原型を手掛けた、成田穣さんにお願いしています。
  • 丸山 成田さんがやってるんだ。さすが、精度が全然違いますね。
  •   当時のウルトラ超合金では、目やコアゲージにクリアパーツを使っていないので、そこも注目ですね。
  • 丸山 本当だ。(頭部を凝視しつつ)あ、ここはさすがに無理か。目尻と目頭のモールドは、スーツだとメタリックグレーだったんですけど
  •   塗りましょう(キッパリ)。
  • 丸山 おお! 見栄えが全然違うはずですよ。顔の造形はもう完璧ですね。
  •   ありがとうございます、担当が聞いたら泣いて喜びます。

 
[ 可動 -ポージング- ]
 

──当時のウルトラ超合金も、実は対象年齢15歳以上でしたね。

  • 渋谷 ウルトラマンにおけるハイターゲット商品のはしりですね。
  •   太腿にダイキャストを使ってたんで、塗装が削れやすいんですよ。「動かすと色が剥げます」って注意書きを入れてた(笑)。
  • 渋谷 そんな弱気な(笑)。
  •   ウルトラ超合金ではやりきれなかった肩アーマーの形状なども、ULTRA-ACTでは再現して、可動と両立させている部分です。
  • 丸山 反り具合もよく再現できてますよ。この肩があるから、ネクサスは初代マンスタイルで飛ばないんですよね。ネクストの頃から。
  • 渋谷 板野(一郎)さんに、「戦闘機っぽく飛ばしたい」っていう意図があったので、願ったり叶ったりではあったんですが。
  • 丸山 腕を上げようと思えば上がるんですけど、甲冑部分が持ち上がっちゃうので、今ひとつカッコよくない。「だったらコレでいいんじゃない?」という流れがあって、ネクサスもそれを継承してるんです。
  •   ULTRA-ACTでは、肩のデザインラインで分割して、アーマーとの干渉を避けています。最近は当たり前になってしまって、ことさらにアピールはしてないんですが、飛行ポーズ用に首も大きく上を向けるようになってますよ。ウルトラ超合金は、上向きが苦手でしたからね。
 
[ 美学 -エステティック- ]
 

──決めポーズが片膝を付いた俯瞰図というのも、ウルトラでは珍しいのでは。

  •   担当が一番こだわってたポーズですね。
  • 渋谷 あれは、1、2話の特撮の菊地雄一監督の演出ですね。アングルを探っていった結果、無理に見上げるより、見下ろした方がカッコいいっていうところにたどり着いた。オープニングで毎回見せてたから、ネクサスっぽさの醸成に寄与してるんじゃないかな。
  • 丸山 現場的には、膝を付くと怒られたりするんですよ。やっぱりスーツが傷むから。
ネクサス1
  • 渋谷 本番ギリギリまで、間にクッションを噛ませてたりして、すごく気を遣いますね。スーツって、だいたい膝がいちばん最初にいっちゃうから。グリッドマンとかだったら、脚だけ換えればいいんだけど、ウルトラの場合は全部取り換えなきゃいけない。
  •   当時のウルトラマンネクサスの玩具のパッケージの写真って、ウルトラマンでたぶん初めて、俯瞰のアングルを使ってるんですよね。バンダイに入社すると「巨大ヒーローはアオリだ!」と教育を受けるんですけど(笑)、上からの画がカッコいいと気付いて、そっちを使いました。撮影会の時、急に「上から撮りたい」って言ったら、ちょっと怒られましたけどね。「先に言ってくれ!」って。そりゃそうですよね(笑)。撮影用に、急遽ヤグラを組んでもらいました。
  • 渋谷 ポーズと言えば、光線ポーズにもこだわりましたよね。アームドネクサスが非常に面白い商品だったから、菊地監督や殺陣師の岡野(弘之)さんらと一緒に玩具を触りながら、クロスレイ・シュトロームはこう、オーバーレイ・シュトロームはこうやってこう、みたいに、玩具でも再現できるアクションを考えていた。その辺は徹底していましたね。あんなリアルな世界観のお話なのに、玩具の再現度にはものすごくこだわっていた。
ネクサス2
  •   劇中の印象的なポーズは再現可能です。ULTRA-ACTならではの遊べるパーツということで、オーバーレイ・シュトロームの溜め用エフェクトパーツも付いていますよ。
  • 渋谷 素晴らしい。すごく考えて作られてますよね。遊び甲斐がある。
 
[ 進化 -エボリューション- ]
 

──ULTRA-ACTは、ある時期からスーツの再現性よりも、アクションフィギュアとしてのプレイバリューの方に軸足がシフトしている感じですね。

  •   ティガやメビウスを先にリリースしてるんですけど、今となっては結構前の素体になっているんです。ULTRA-ACTはシリーズとして改良を続け、(2012年)7月発売のウルトラマンで究極に近い素体が完成したと思っています。
  • 丸山 それが、ウルトラマンガイアとか、あの辺ですか。
  •   そうですね。本当はこの素体で、以前のティガとか、ゼロやメビウスも作り直したいぐらいなんですけど、「じゃあ取って置きのネクサスに持ち込みますか!」と。今この時代にネクサスをアクションフィギュア化するだけでもワクワクする事ではありますが、「今できる最高のネクサス」を追求したのが、今回のジュネッスなんです。
  • 渋谷 もともと、上の世代にすごく反応してもらった作品でもあるので、そういう層がさらに上の世代になって、彼らに手に取ってもらうに値する、素晴らしいクオリティのものができたなっていう感慨がありますね。
  • 丸山 ジュネッスブルーはウェブ限定とか?
  •   秘密です(笑)。でも、ジュネッスブルーは商品化がすごく少ないですよね。
  • 渋谷 アローレイ・シュトロームとか、ポーズも単純にカッコいいのにね。
  •   だから、このジュネッスが好評であれば、先が楽しみになってくるわけですよ。私的には 黒い方、悪いウルトラマンたちに行きたいんですけど。
  • 渋谷 それだ!是非、ジュネッスブルーも商品につながってくれるといいですね。
  •   今度の魂ネイションに期待してください。
  • 丸山 何が出るんですか?
  •   期待してください!
  • 一同 (笑)
魂ネイション2012
▲「魂ネイション2012」会場で実際に展示された参考展示
 
[ 絆 -ネクサス- ]
 
  • 渋谷 でも本当に、DVD-BOXも出たし、改めて色んな方に評価していただけて、すごく嬉しいですね。割とこういう作品って、玩具屋さんと敵対しながら作ってるって思われがちだけど(笑)、全然そんなことはなくて、劇中での玩具のギミックの再現度ではトップクラスだったと思うんですよ。子どもたちにも喜んでもらうつもりで作っていたのは間違いない。早すぎた作品ではあったのかもしれないけど、今も皆さんの心の中に残ってるからこそ、こういった商品の開発にも結び付いてくれてるんじゃないかと思います。それは素直に嬉しいですし、皆さんも早くこの商品を手に取っていただいて、楽しんでもらいたいなと思いますね。
  •   『ネクサス』が好きだっていう新入社員はけっこう多いですよ。特撮の世界でもそうでしょうけども、『ネクサス』がきっかけでこの道を志したっていう人たちが、ちょうど社会に出てきてるタイミングなんだと思うんですよ。
  • 丸山 そうか、8年前だから、中二で『ネクサス』を見てた子は22歳だ。
  • 渋谷 道を踏み外させてしまいましたね(笑)。
  •   せっかくいい話で締めたのに!
  • 一同(爆笑)
取材/谷崎あきら(TARKUS)
 
渋谷浩康

渋谷浩康(しぶや ひろやす)
1969年生まれ
円谷プロダクション製作企画部プロデューサー。1992年に同社に入社し、『電光超人グリッドマン』(1993)制作進行や『ウルトラマンゼアス』(1996)アシスタントプロデューサーを経て、『ウルトラマンコスモス』(2001)よりプロデューサーとして活躍する。代表作に『ウルトラマンネクサス』(2004)、『ウルトラマンメビウス』(2006)など。

丸山 浩

丸山 浩(まるやま ひろし)
1962年生まれ
1992年に円谷プロダクション入社。『ウルトラマンティガ』(1996)から『ウルトラマンメビウス』(2006)まで、多くのヒーロー、怪獣、宇宙人等をデザインし、イラストや立体造形なども手掛ける。現在フリー。他の代表作に、TCG『バトルスピリッツ』シリーズや『仮面ライダーウィザード』(2012)のクリーチャーデザインがある。

原   昇

原   昇(はら のぼる)
1977年生まれ
バンダイ コレクターズ事業部所属。『ウルトラマンコスモス』(2001)終盤より番組担当となり、『ウルトラマンネクサス』(2004)ではその立ち上げから一貫して携わっている。他に「仮面ライダーカブト」「仮面ライダー電王」「侍戦隊シンケンジャー」「非公認戦隊アキバレンジャー」など、多数の番組を担当。渋谷、丸山両氏によれば、「少年のように目をキラキラさせて、作りたい玩具を熱く語る男だった」とのこと。「今ではすっかり濁ってしまって」とは本人の弁。

 
魂アイテム ULTRA-ACT ウルトラマンネクサス ジュネッス

ULTRA-ACT
ウルトラマンネクサス
ジュネッス
 

価格(税込):3,360円
発売日:2013年02月
対象:15才~

商品詳細ページはコチラ

ULTRA-ACT [ ULTRA-ACT ] 
円谷プロ作品のキャラクターデザインを最大限考慮した可動機構により、理想的体型(ACTOR)と高いアクション性(ACTION)を両立させたアクションフィギュアシリーズです。
 
 

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